「会社が倒産した」そんなときあなたを救う身近な書類とは?
転職を経験している人にはお馴染みかもしれないが、会社を退職してしばらくすると、在籍していた会社の人事部や総務部から「源泉徴収票」と「離職票」が送られてくる。これらの書類は退職から再就職するときに生じる様々な手続きで欠かせない書類だ。
まず、源泉徴収票にはその年の収入や自分か支払った所得税額が記入されている。年末調整に使用するために次に入社する会社で提出を求められるはずだ。
ただし、年末までに再就職せず自分で確定申告を行うことになったときは、この源泉徴収票を元に還付申告を行って払い過ぎている所得税を取り戻すことになる。
離職票は失業手当の申請に必要なもので、ハローワークに提出する書類である。このふたつの書類は大切に保管しておきたいものだ。
還付申告も失業手当の申請もスムーズに行うには1年分の給与明細が役に立つ。しかし、会社が1年分の給与明細の発行を確実に行ってくれるかは怪しい。こういう時は一度見ただけで捨ててしまいがちな給与明細を保管しておくことだ。
出来れば最低でも過去1年分(2年分あれば尚よい)給与明細は保管しておくといいだろう。会社が倒産して突然失業してしまうことなどあまり考えたくはないが、準備だけはしておいてもいい。
手続きが出来ずに本来貰える筈の手当や戻ってくるお金に漏れが無いように必要な書類や何処で何をすればいいかなど正しい知識を持っていたいものだ。
失業手当だけで一体どのくらい過ごせるのか?
「働かざる者、食うべからず」というが、失業手当の申請をする時はどうにも後ろめたさを感じてしまうという人もいる。しかし、定められた期間に雇用保険に加入してきた人なら会社を辞めてすぐに次の職に就かない場合、失業手当を貰うのは当然の権利だ。
さて、その失業手当だが、実際にどれくらいの金額を受け取ることができるのだろうか。まずは、退職前6ヵ月の1日あたりの給料の平均額に対して50%~80%に相当する金額が「基本手当日額」となって給付される仕組みになっている。
その一方で1日の支給額の上限は定められており、2009年7月現在の支給上限額は30歳未満は6,330円、30歳以上45歳未満は7,030円となっている。
また、倒産やリストラといった会社側の都合ではない、いわゆる自己都合での退職に関しては、それまでの雇用保険の加入期間が10年未満なら90日、10年以上20年未満なら120日分までしか受け取ることができない。
ちなみに、会社の倒産など特定の理由がない場合は離職日以前の2年間で被保険者期間が通算して12ヵ月以上なければ支給されないので気をつけたい。
最低限の暮らしを支える金額は支給されるものの、もし仕事があるのなら失業保険を当てにせず、すぐ働きはじめる方が何かといいわけだ。
それに失業手当を受けている間も、病気や怪我に対しての保証は必要なので国民健康保険には加入しなくてはならない。もちろん、国民年金も支払う必要がある。当然、会社側が半分負担をしてくれる厚生年金と社会保険の方が自分の持ち出しは少ない。
失業手当はあくまで再就職するまでの最低限の支えであって、前職の有給休暇を消化するようなイメージで使ってしまっては、後になって自分の首を絞めるだけなのだ。